読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

積読バベルのふもとから

日々積み上がる積読本に挑むラノベ読者の雑記

第一回、傑作ラノベシリーズ『イリヤの空、UFOの夏』

・傑作ラノベシリーズとは?

昨日の夜、俺が風呂に入ろうと思ったら、42℃の熱湯状態であり
そのあまりの熱さに湯船に入れずに素っ裸で立ち往生しながら
「ああ……ブログのネタなんもねぇや……」
と焦っている時に突如として舞い降りた
『過去の作品についてなら、ストックありまくるじゃん……』
という考えに基づいて作られた企画である

Orepedia より参照(長い 

うん、どうでもいい


理由としては、新しいモノの感想をその時々に取り上げるのではなく
改めて、過去の作品を見つめ返すことで
その作品について語り合えたらと思ったからだ!

また、まだ読んでいない人に
読む機会を作れれば、という思いもある
この記事では前半と後半に分けて
前半部分は未読者が大丈夫なように
後半部分では即読者が「ああ、そこいいよね……イイ……」となるくらい結末のネタバレを入れていこうと思う


第一回は
『イリヤの空、UFOの夏』

イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)
秋山 瑞人,駒都 えーじ

アスキー・メディアワークス
売り上げランキング : 12078

Amazonで詳しく見る

もはや定番となったイリヤの空、UFOの夏
数年ぶりに全四巻のこの作品を読んで見て、改めて泣いた
「ああ……こいつは傑作だわ」
という感想が湧いて出た。

非常にバランス感覚のいいラノベだなぁ、と思う
舞台は田舎の中学校、そこに現れる謎の多い美少女転校生
そこに絡まるSF成分
すべてが上手く組み合わさってる、さすが秋山大先生

空気感が非常に良くて、タイトルにもある『夏』という季節がビシビシ伝わってくる
この描写力(謎)はやっぱり凄いのだなぁ、と
各キャラクターのセリフや地の文など、本当に切れ味が良くて
心の奥にぐさりと喰い込んでくる


登場人物も非常に魅力的で
男たちがどいつもこいつもいい味出してる!
超人である『水前寺』
すべてを知る大人である『榎本』
そして何よりも
無力さに苛まれ続ける主人公『浅羽』


この浅羽という主人公は、本当に何もできなくて無力で臆病で
おおよそ全ての格好良い主人公たちの足元にも及ばない
でも、やっぱり、こいつが一番好きなのである
どうしようもなく格好悪いけど
伊里野のためにがむしゃらに行動するこいつが

一番格好悪くて、一番格好いいと思う

一夏のボーイミーツガールとして
切なくて苦しくて、激情を感じて、それでも穏やかに向かえる終わりは秀逸としか言えない
バトルや激しい展開こそないが
夏の終わりの結末へと向かう切ない物語を、ぜひ読んでもらいたい

十代で読むのも良し
少し大人になって読むのも良し
色々な側面から『世界のあり方』を感じることができる
よく言われているような『欝作品』なんかじゃ絶対にないから!!

読めば、必ず心に残る傑作ラノベだと思っている
まだ読んでいない人は、一気に全四巻読んでしまえ!!
そして、俺と語り合おう!!


ここからネタバレ、読んでから読んでね!




賛否両論
ハッピーエンドかバッドエンドかで未だに割れているけれども
セカイ系と呼ばれる物語のなかで
一番美しい『過程』だったと思っている。

結末ではなくて、過程
そもそも、究極的に言えば、人はどうしても死という結末からは逃れられないわけで……
伊里野が辿った一夏の過程は
それこそ最高にハッピールートなんじゃないかな? と思う
本当にもう、泣きつかれたよ……ボクは……


浅羽に拒絶されて、伊里野は一度は壊れてしまったけれども
それでも最後の最後で
浅羽が『伊里野』と『世界』を天秤にかけて
『伊里野』を選んだ

だからこそ伊里野は『死への恐怖』と『浅羽』を天秤にかけて
『浅羽』を選べた

こんなに想いが通じることってあるか?
両者ともに、究極の選択肢を目の前にして、どちらもお互いを選べるのか?

最高だろう、これは

普通のセカイ系は一方が天秤を持っているのに対して
イリヤは両方が天秤を持っていた
それこそが『イリヤの空、UFOの夏』の素晴らしいところだと思う


伊里野は子犬計画の通りに世界(浅羽)を救うために身を差し出してしまったわけだけど
でも、伊里野が不幸せだったとは絶対に思えない
絶対に伊里野は幸せだったと思う
浅羽も苦しみながら一歩前に進むことができた

一夏という短い期間ではあったけど、一生分の幸せがあったんじゃないかなぁ……


気持ち悪いセリフ乙



それと、やはり浅羽という人間を構築したのが凄い
浅羽の逃避が、決して不快にならないっていうのがね……
あの逃避行の中で、苦しむ浅羽が本当に泣けた

力がなくたって、能力がなくたって、弱虫だって
それでも、こんなに魅力的な主人公を描けるのが素晴らしい!

あとは徹底して戦闘シーンを描かなかったもの良かった
あくまで物語の中心は『少年と少女の出会い』であるために、贅肉を削ぎ落したからこその
全四巻でのあの名作っぷりだと思う


今のラノベ業界は、ライトな作風が一般的だけど
こういうがむしゃらな若さとか
ハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのかと討論が起きるくらいの
苦しく切ない物語のラノベがもう少しあってもいいと思っている


まあ、一番望んでいるのは

1クールでの再アニメ化なんだけどね!!!!



おわり