積読バベルのふもとから

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日々積み上がる積読本に挑むラノベ読者の雑記

漫画版「秒速5センチメートル」を読んで感動した話。「君の名は。」を本当に楽しむことができるようになった話

「君の名は。」の公開・大ヒットに合わせて
新海誠作品が各所で放送されています。


「君の名は。」は凄い良い作品だと思います。
キャラの掘り下げから、最終的な終わり方まで、
徹底的に視聴者を楽しませる作りになっていたと思います。

でも、今までの新海誠作品よりもどうにも心に残らない。
自分は新海誠作品の中で「秒速5センチメートル」が1番好きなのですが、
「秒速5センチメートルへのアンサー作品だ」という感想すらあるのに、どうにも納得出来ない。
今までの新海誠作品とは地続きに感じない。
延長線上にあるようでいて、まったく別物に感じる。

そこで、すごい久しぶりに「秒速5センチメートル」を見ていました。
ああ、やっぱりやるせない作品だ……
あれでも、なんとなく昔と感じ方が違うぞ?
昔はもっと欝になっていたのに、前向きさすら感じる…
なんだこれは……

という感覚に陥って首を傾げている最中、
Twitter上で「秒速のコミカライズ版はいいぞ」という呟きを発見しました。

そういやコミカライズ版は手を付けてねぇなぁ……
と思い、軽い気持ちで電子版を読み始めましたが


なんだこの名作は……

主人公やヒロインたちの感情の流れ、
主人公が吐露する未練など、映画をしっかりと補った内容……
どれをとっても素晴らしい出来でした。

なんてことはない話で
「秒速5センチメートル」という作品は、すでに完成された作品であった。ということです。
自分はずっと秒速を「過去を忘れられない男のやるせない話」と思い、
勝手に報われない話だと思い込んでいました。

が、このコミカライズ版を読んで認識が間違っていたことに気づきました。
「秒速5センチメートル」は過去を受け入れて、一人の男が前を向いて歩いて行く物語であり、
もうすでに完結していた話だったわけです。
他の作品でアンサーを出す必要もなく、ただこれ一つの作品として完成されたものでした。


「君の名は。」は確かに秒速にダブらせるシーンが多いのは確かです。
ただ、決してアンサー作品などではなく、完全に独立した一つの作品であり、
秒速の幻影に惑わされることなく、ただ純粋に「君の名は。」という作品として楽しめば良い。
そう思うと「君の名は。」をもっと純粋な目で見ることができそうです。
2度目の視聴はもっと真っ直ぐな気持ちで見れるかと思うとワクワクしてきます。

とりとめのない話ですが、
「秒速5センチメートル」が好きで、
まだコミカライズ版を読んでいない人は是非読んでみてください!(いまさら)


秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンコミックス)

秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンコミックス)

秒速5センチメートル(2) (アフタヌーンコミックス)

秒速5センチメートル(2) (アフタヌーンコミックス)