積読バベルのふもとから

日々積み上がる積読本に挑むラノベ読者の雑記

【オススメ紹介】いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫) 【★★★★★】

備忘録も兼ねて、最近読んだ作品のご紹介。
基本はネタバレ無しです。

■「いつかの空、君との魔法」


著:藤宮カズキ
イラスト:フライ

<あらすじ>
「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」
常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。
雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。
並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の《ヘクセ》揺月と再会する。
しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で……?
「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。


美麗な表紙イラストに惹きつけられ、
引き寄せられるように購入してしまった本作。

第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作ということで、
新人作家の作品になるわけだが、これがまた完成度が高い高い!

酸素や水のように、人間が生きるために必要な「精霊」と呼ばれる要素を循環させる役割として、
《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いが働いている世界観が特徴的。
この精霊や魔法、魔術が社会システムの基盤となっている世界観の描写が秀逸で、情報の出し方が本当に上手い!! 

私はファンタジーモノを読むときに、その世界のルールを受け入れるのに時間がかかるタイプだけど、
序盤の説明だけで物語に没入できた。
「ああ、こういう世界なんだな」というのがスッと喉元を通ってゆく感覚。素晴らしい!

また、主人公とヒロインの過去の確執を軸にした物語は、しっかりとまとまっていて隙がない。
美しい情景を書く描写力も高く、新人作家とは思えない出来。
美麗なイラストと相まって、澄んだ世界観を構築している。
スニーカー文庫は良い新人作家を掘り当てたなぁと感じた。(何様

本作はしっかりと物語を描き切っているので、
次回作がどうなるのか気になるところ。
どことなく「サクラダリセット」の河野裕を想起させられたので、
ライトSFな学園青春モノも合いそうだなぁ……

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)