積読バベルのふもとから

積読バベルのふもとから

日々積み上がる積読本に挑むラノベ読者の雑記

ラノベのコミカライズはどういう形がベストなのか?

ライトノベルのコミカライズの話題が少し出ていて
自分なりに、色々と思うところがあるので
今回はラノベのコミカライズについてのお話です
灼眼のシャナ 1 (電撃コミックス) 戦闘城塞マスラヲ (1) (角川コミックス・エース 263-1) 東京レイヴンズ (1) (角川コミックス・エース 309-1)


ライトノベルはメディアミックスが盛んに行われるコンテンツなのはもう今更ですね
ドラマCD化、漫画化、グッズ化、ゲーム化、アニメ化……
もはやクロスメディアコンテンツと言っても言い過ぎではないのでは?
と個人的には思います。
その中で漫画化――
コミカライズの位置取りというのが前から結構気になっていたんですよね
最近だと出版社を超えてコミカライズ作品が雑誌に掲載されたり
意外と活発なコミカライズというメディアミックスは要注目かと


メディアミックスの最終到達点はアニメ化ですが(だよね?
TVアニメ化する場合、基本的には原作に忠実に、少なくとも本編の流れに沿ってアニメ化されることがほとんどでしょう
アニメは制作費も多くかかるため、きちんと本編をアニメ化するのが王道

それに対してコミカライズは色々なパターンがある


● コミカライズの種類
ラノベのコミカライズには色々とあると思います
1、大まかな原作の流れに沿ったもの
2、スピンオフ、外伝として漫画オリジナル展開をするもの
3、なんでもありのショートストーリーを4コマ漫画とかにするもの

とまあ、こんな感じかな?
この3種類それぞれのメリット、デメリットを上げて
コミカライズがどの形がベストなのかを考えていきたい(まあ、答えはでないけど


1、原作の流れに沿ったコミカライズ

ほぼ大半のコミカライズはこれに入るのかな?
原作の展開を素直に漫画にするもの
また、原作の流れに沿いながらも、展開を少しプラスしたり、マイナスしたりするコミカライズもある
最近だと

紫色のクオリア 1 (電撃コミックス)

紫色のクオリア 1 (電撃コミックス)

紫色のクオリアのコミカライズは原作の流れ通りだが、少しずつイベントが増えたりしている
素晴らしいコミカライズなので、ぜひ一読をしてもらいたい

それでは、このタイプのコミカライズのメリット、デメリットを上げていこう
◆メリット
・原作未読者も原作のシナリオを追える
・原作キャラが漫画として動く様を見れる
・シナリオがすでにあるので物語を新しく生み出す必要がない(ただし、取捨選択は必要)
 漫画家にかかる負担が少なく、原作者に新たにかかる負担も少ない(と思われる)
・駆け出しの漫画家のありがたい仕事になる。
 ラノベのコミカライズには駆け出しの漫画家が担当することが割と多い
・アニメに比べてコストが低く、比較的メディアミックスがしやすい

◆デメリット
・漫画とライトノベルの展開スピードの違い
 ライトノベルは小説であり、一巻当たりにある程度の分量がある
 ラノベのコミカライズの場合、大抵が月刊誌(隔月もある)なため物語が進むスピードが遅い
 このメディアの違いはやはり一番問題ではないかと思う。
 ただ、逆に進みが遅いから原作を買ってしまう、なんてこともあるかも

・漫画が中途半端なところで終わる可能性が高い
 ラノベのメディアミックスは早く、パイの奪い合いも壮絶である
 そのためなのか唐突に打ち切りっぽい形で終わることが多々ある。
 アニメ化の前哨戦的な面もあり、アニメが終わるとそのまま……というパターンもある
 またアニメ化の可能性が消えると漫画も終わる時がある……かもしれない(マスラヲォォォォ!!



2、スピンオフなどのオリジナルシナリオを漫画で描く

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 (1) (電撃コミックス)

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 (1) (電撃コミックス)

原作の主人公以外のキャラクター(もしくは新キャラ)に焦点を当てて
原作とは違った展開を描くコミカライズ、数はあまりない?
最近だと『アクセル・ワールド』でその動きがあるか

◆メリット
・原作以外のシナリオにより、世界観が広がる
・原作既読者が新鮮な気持ちで漫画を読める
・原作とのリンクにより『ニヤニヤ』した気分が味わえる

◆デメリット
・原作を踏まえてのスピンオフの場合、原作未読者が楽しめない可能性がある
(漫画家の腕次第でメリット・デメリット逆転)
・原作者がシナリオを考える場合、負担が増加する
・ある程度の実力のある漫画家を捕まえないといけない


3、なんでもありの4コマ漫画化
正直、これに関しては大した意見はない
4コマは軽く見るものだしねー
強いて言うなれば、地味に原作のネタバレとかもあったりして
原作既読者向けに作られている部分が多いところだろうか

原作未読者は楽しみづらいかもしれない。



とまあ、それぞれメリット、デメリットはこんなところだろうか?
他にも色々と有りそうなので、この記事を読んでみて感じるところがある人は色々と考えて欲しい!

メリット・デメリットを上げてみて、やはりコミカライズで重要な点は
原作既読者向けか未読者向けか、という部分だと思う

メディアミックスが頻繁に行われる理由として
様々なメディアを通して消費者を獲得し原作の売上を上げる、という面がある
これを考えれば、漫画などの多くの人間が手に取りやすい媒体は
原作未読者が読みやすいように作り、原作にも手を出して貰えるようにすべきだろうか?

しかし、メディアミックスには
原作ファンが色々な媒体でひとつの作品の広がりを楽しんでいくという側面もある
ファンアイテムとしてメディアミックス商品を買う人も多いだろう


メディアミックスには往々にしてこの2つの対立しがちな側面がある
ただ、アニメ化ならば、基本は本編通りにすすめ。ドラマCDならば、原作ファン向けに寄っている。グッズ化もそうだろう
そう考えると、比較的メディアミックスが容易で
かつ内容も充実させられる漫画化は難しい立ち位置にいるように思える
ゲーム化もそれに近い場所にいるかもしれない


コミカライズに関して『ベストな形はこれだ!』とは言えない
一番最高なのは原作既読者、未読者関係なく、どちらもが新鮮に楽しめる完成度の高いコミカライズだが……なかなか難しいものである
原作通りとスピンオフ両方やっちまえ! とはなかなか言いづらいしねー

それと
やはり担当する漫画家さんの力量、原作をどれだけ理解しているかという部分は重要に思える
そこら辺は編集者の腕の見せ所という感じだろうか?


個人的にはコミカライズは本編をなぞるよりも
スピンオフ方面に展開してくれたほうが楽しい!!

まあ、それは自分がかなりの数でラノベを読んでいるからなのだが……
ただ、最近のコミカライズ(というと、いつからだ!?ああん!と言われるかもしれないが)はかなり質が上がっているように思える。
出版社を超えて掲載されることも多くなり、それ一つが作品として完成されているものも多い
これは非常に良いことだし、一ファンとして喜ばしい現状だと思う!




おわり



追記:
ライトノベル関連の漫画雑誌まとめ - 主にライトノベルを読むよ^0^/
こちらにて、掲載雑誌に関する情報がまとめられています

掲載雑誌とコミカライズの内容の関係性にあまり触れていなかったけど
やはり深い関係があるように思います
少し考えがまとまったら、あらためて記事にするかもしれません