積読バベルのふもとから

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日々積み上がる積読本に挑むラノベ読者の雑記

『私のために創りなさい!』レビュー おっぱいに人生を捧げる漢(バカ)の物語!

今回読んだのは
『私のために創りなさい!』

私のために創りなさい! (HJ文庫)

私のために創りなさい! (HJ文庫)

簡単にあらすじを紹介すると――

マ創研と呼ばれる漫研的な部活動で
ひたすら『おっぱい』を創りだすことに学生生活を捧げている漢(バカ)がいた。
フィギュアを魔改造しおっぱいをさらけ出す。ゼロからおっぱいフィギュアを生み出す――
おっぱいに人生を捧げた漢だ。
その主人公の元に、とある理由から
『おっぱいをEカップに見せなければいけない』
女生徒が、マ創研に依頼を持ってきたことから物語は始まる。
質感、見た目、揉み心地――理想にして究極のおっぱいへと至る、おっぱい青春ライトノベルだ!!






いや、良い意味で良い意味で!!
ほんんんんっとうに頭悪い内容だーーー!!

おっぱい作りに全てを捧げている主人公もバカだが
『Eカップを作ってくれ』と相談に来るヒロインもバカだ!?

とにかく、理想のおっぱいを作る過程が
これでもかと熱く、かつリアリティを持って描かれているのがさらにバカすぎる!
もやは
「おいおい……すげぇな……熱すぎる……」
となるレベル、なにこれ!?


正直に言えば……
文章レベルやヒロインのキャラメイクは基準を下回ると思う。

キャラのリアクションで
『白目をむいてガタガタ震える』と『顔色が青くなる』を多用しすぎだし
二人いるヒロインがどっちも難有り
作者のあとがきでも触れている通り
『ヒドイン』だと言ってもなんら問題はないだろう

特に『Eカップを作れ』と持ちかけてくる小森希という
メインヒロインは本当にヒドイン
おっぱいが必要な理由が
『他の男(学校の先生)と付き合うため』
という時点でなかなかハイレベル

さらに理不尽に殴るわ、縛るわ、ゲロ吐くわ――
ひたすら『お前、マジでヒロインなの!?』と言いたくなる
もう一人のヒロインは筋肉大好きの腐女子だし……登場人物全員色物すぎる

だが、それすらを帳消しにするほどの
『おっぱいを作る』という過程が面白いww
型取りや、様々な素材を使いリアルのおっぱいを作る過程は
材料工学や製作方法を知らない一般人の自分でも楽しく読めた!

主人公は一貫して『おっぱい』に執着しているし
おっぱい製作の際の真剣さは変態<<イケメン>>とルビを振ってしまいそうだ

ものづくりにかける熱い男がそこ(おっぱいの前)にいた――

これほどまでに一点突破を貫かれると
「お、おう……」と言うしかない
全体的にはまだまだ荒い部分があるものの
きちんと一つのことを貫いた部分は新人作家として評価できると思う

この続きが出るのか、新しいタイトルが出るのかわからないが
ぜひ頑張って欲しいと思った

しかし、ラブコメ書くのが苦手と言っているが……
一点突破のイロモノ系作家になるのか……どうなるんだ……?


おわり