『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』『明智少年のこじつけ』感想
この感想記事は比較的ディスり気味になっています
気分を害する可能性もありますので、見たくない人はタブを閉じてね!
ファミ通文庫の新人賞作品を2つ読みました。
今回はその感想記事になります。
一言で言ってしまうと
少し、がっかりの出来でした。
まず
『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』
- 作者: 鳳乃一真,赤りんご
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/01/30
- メディア: 文庫
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主人公が実家が代々行なっている『とある家業』に嫌気がさして
父親と大喧嘩、そのまま勘当されて学園特区の人工島に飛ばされることから話は始まります。
この人工島って設定、めちゃくちゃ使いやすいですよねー
ルールも強引に決められるし、外側の世界から隔離できるし
どことなくワクワクする設定です。
人工島で一人暮らしを始める主人公ですが
まあ住むことになったアパートに地縛霊がいて、なんやかんやで凄い力を持った財宝を探すことになります(雑
なんというか、つまらなくはない!
キャラも悪くはない
話も悪くはない
ただ、凄い良くもない
安定はしているのですが、どうにもパンチが弱い
話のプロローグを終わらせたという感じで、この一巻じゃ話があまり動きませんでした……
うーん、消化不良だけど……次は買わないかも……
まず主人公のノリが個人的に合わないのと(一人称系はかなり重要
伏線がほとんどはられていないのに、しれっと後出し設定をしてくるのが、うーん……
所々にある違和感を消化してくれないまま、次へ進んでいくのが辛かった
ただ、最後の展開は少し面白い兆しが見えたかな、と
続刊がスケールアップするなら、面白くなるかもしれない
ただ、世界征服を唄うわりに、その重要アイテムが人工島にしかないのはどうにもこうにも
もっと人工島の凄さとかデカさを強調していく必要があるのかな、と
続いて
『明智少年のこじつけ』
- 作者: 道端さっと,春日歩
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/01/30
- メディア: 文庫
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こっちはもうダメ
劣化33分探偵という感じ
キャラの理不尽さと筋の通らなさが不愉快レベル
明智少年が意味不明なこじつけで毎回主人公を犯人扱いするのですが
それがもう単純に嫌がらせとしか思えない、悪意すら感じる
最初は掛け合いが面白いかなぁ……と思いましたが
全く同じ掛け合いを200ページ以上読まされるのはさすがに予想していなかった
恒例の掛け合いとかじゃなくて、ただのテンプレ展開
しかも、最終的に『なんで主人公を犯人にするのか』という根底の部分もお粗末すぎる
ギャグとして振り切っているのではなく
中途半端に人間味を持たせようとしたせいで家庭環境などの話が重くなってしまいギャグモノとしてもイマイチ
この続編を書く場合、根本的なネタの改善が必要だと思う
また、同じように『こじつけ』で主人公を痛めつけて主人公がキレるという流れをされたらたまったもんじゃない
俺が最も嫌いな『理不尽さ』を見せつけられた
理不尽さっていうのは、つまり前後の繋がりがなく、唐突にキャラクターの行動が生まれること
きちんと段階を踏ませずに、強引にキャラクターを動かすと
そこには違和感しか残らない
違和感はずっと残り続けて
致命的な欠陥になりかねないと思う
ただイラストは凄い素晴らしかったです
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金に関しては、これからの伸び代は十分にあると思います
明智少年に関しては……次作に移ったほうが懸命かなぁ……
おわり