積読バベルのふもとから

日々積み上がる積読本に挑むラノベ読者の雑記

VS!!—正義の味方を倒すには— 感想

VS!!—正義の味方を倒すには (電撃文庫)VS!!—正義の味方を倒すには (電撃文庫)
和泉 弐式,白羽 奈尾

アスキー・メディアワークス
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電撃文庫1月の新作
2012年の始まりを飾る素晴らしいライトノベルだった!!

地雷覚悟で購入とかしてマジでスミマセンでした!!


戦隊モノを怪人サイドから描いたら……? といった珍しいタイプのライトノベル
英雄機関と呼ばれる正義の組織とアルスマグナ呼ばれる悪の組織が存在する世界で
アルスマグナの戦闘員の21号(ショッカーで言う黒タイツの構成員、表紙の左側の男)が主人公という斜め上っぷり
しかし、この21号はトリッキーな性格をしていてグッド!

そして、なんかもうタイトルの売れなさそうな感じとかたまらないんですけど


内容に関しては、明るさの中に垣間見える悪と正義の理不尽な境遇がスパイスになっていて素晴らしい!!

最強の怪人と呼ばれる【ジャバウォック】と21号、22号(表紙の右の少女)が共同生活を始めることから物語が動き出す
ちなみにジャバウォックは美少女であり、決して右腕に宿るARMSではない


序盤は三人の日常が続いていくが、読み進める中で感じるのは戦隊モノにおける怪人側の悲しさだ
21号と22号が初めて食べたカレーをおかわりするシーンは、流れこそ明るいが
彼らが置かれている境遇の難しさを物語っていると思う。

物語上で何度か語られる「戦いたくない」という言葉が印象的
一回の戦闘で平均して30人の戦闘員がいなくなる
そして、戦うためだけにフラスコから作り出される使い捨ての戦闘員達。
生まれて数ヶ月の仲間たちは正義の味方に簡単にやられてしまう
だからこそ21号にも戦いたくない、生きていたいという気持ちが芽生えている、悲しいね


最強の怪人であるジャバウォックが、料理を楽しんだり、デートを楽しむ様も哀愁を誘う
そして、ヒーローの中にも戦うことを恐れいているキャラがいる
悪側も正義側も魅力的なキャラが多くて、良い意味で感情移入先が難しかった。



そして、そんなどこか明るいながらも悲しさの一片を垣間見せる序盤を超えての
21号にくだされる一つの転機、別れ

そして、そこからの熱血展開は見事!!!

まさかここまで熱い物語で魅せてくれるとは!! 主人公も脇キャラも熱すぎる!!!


正直、読むまでは単なる色物ライトノベルだと思っていたが
これほどまでに真剣に戦隊モノの裏側を描いているとは思っていなかった。
普通に感動したし、悲しかったし、熱血したし、楽しかった!!

ぜひ売れて、二巻以降も出て欲しい!! 

—VS!!の名言—

「奴らに見せつけよう! 刻みつけてやるんだ、奴らの心に!
『私たちはここにいる』と!! これは戦闘員の誇りを賭けた戦いだ!!」